味覚と言葉と

キリンビールの淡麗やアサヒビールスーパードライ、この言葉が面白い。
感覚を表す言葉の中でも味覚を表す言葉は、甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱいなどざっくりと分ける言葉はあるけれど、個々の「味」はだいたいしいたけの味とかにんじんの味とか素材の名前をとって呼ぶか、カレーの味とかラーメンの味とか固有の料理名がそのまま味を表すことがほとんどではないでしょうか。
そこで面白いのがこのビールの名前。ビールの味はだいたいおおざっぱに言えば「苦い」と表せる。でも淡麗という言葉をもってくることで、他のビールの味とは差異化される。
味があって名前を着けたというより、名前をつけることで味が生まれたというほうが近いかもしれない。
感覚というものはなんとなく入り交じっていてあいまいなものだけど、言葉を与えることでふっと浮き上がってきて私たちの意識に顔をだします。
私は人間の体の持つ感触、石のように硬いわけでもなく、スライムよりは弾力性のある人間という肉の固まりを「鈍柔」鈍くて柔らかい感触と、造語しました。
そうすることで、言われてみればたしかに、そうゆう感じってあるよねと、他の人と共有することができるようになります。
言葉は面白いです。特に訓読みと音読みを持つ日本語は便利だなぁと思うのです。